介護の仕事は、誰かの生活を支えることです。そう聞くと、食事や入浴、着替えといった身体的なケアを想像するかもしれません。しかし、私たちが本当に提供しているのは、それだけではありません。私たちは、利用者さんの心に寄り添い、その方が「生きている喜び」を感じられる瞬間を共に創り出しているのです。
ある日の「幸せ」な出来事
デイサービスで働くスタッフから、こんな話を聞きました。
ある利用者さんが、以前は無口で、感情を表に出すことがほとんどなかったそうです。しかし、その利用者さんが大好きな民謡をスタッフが流してみると、表情がみるみる明るくなり、口ずさみ始めました。そして、スタッフと一緒に手拍子をしながら、本当に楽しそうに歌っていたそうです。
その日の午後、その利用者さんは「ああ、本当に楽しかった。こんなに笑ったのは久しぶりだ」と、はにかみながら話してくれました。その言葉を聞いたスタッフは、胸が熱くなったと言います。
幸せは、特別なイベントではない
「幸せ」は、豪華な旅行や特別なイベントの中にあるわけではありません。
その利用者さんにとっての幸せは、好きな音楽を聴き、声に出して歌い、そして誰かとその喜びを分かち合うことでした。それは、ほんの些細な日常の一コマかもしれません。しかし、その小さな瞬間に、私たちは利用者さんの「生きる喜び」に触れることができます。
デイサービスは、単に時間を過ごす場所ではありません。
利用者さんが昔の趣味を再開したり、新しい友達を作ったり、普段話せないようなことを話したり...。私たちが提供するのは、そうした「心のふれあい」が生まれる場所なのです。
介護職は「幸せ」を届ける仕事
介護の仕事は、決して楽なことばかりではありません。
でも、利用者さんが心から笑ってくれたり、「ありがとう」と感謝の言葉を伝えてくれたりする瞬間は、何にも代えがたい喜びです。
私たちは、介護を通じて、利用者さんの人生に寄り添い、その方が笑顔でいられる時間を一つでも多く増やせるよう努めています。そして、その笑顔が、私たち自身の喜びや生きがいにもつながっています。
もしあなたが、誰かの力になりたい、誰かの笑顔を増やしたいと考えているなら、ぜひ介護の仕事に挑戦してみませんか。利用者さんの笑顔から、人生の豊かさを教えてもらえる。そんな素晴らしい仕事が、介護職にはあります。