要介護・要支援とは?初心者向けに分かりやすく解説

要介護・要支援とは?初心者向けに分かりやすく解説

介護職への就職を考えているけれど、「要介護」や「要支援」という言葉の意味がよく分からない、という方もいるかもしれません。これらの言葉は、介護保険制度を利用する上で非常に重要であり、働く現場でも頻繁に出てきます。ここでは、介護の仕事を目指すあなたが知っておくべき、要介護と要支援について分かりやすく解説します。

そもそも介護保険制度って何?

要介護・要支援を理解する前に、まずは日本の「介護保険制度」について知っておきましょう。この制度は、高齢者が病気や障害によって介護や支援が必要になった時、費用の負担を抑えながらサービスを利用できるようにするための社会的な仕組みです。

市区町村が運営しており、40歳以上の国民は全員加入が義務付けられています。サービスを利用するには、市区町村に申請し、どの程度の介護が必要かを判定してもらう必要があります。この判定結果が「要介護」や「要支援」として表されるのです。

要介護・要支援の定義と違い

要介護と要支援は、どちらも介護が必要な状態ですが、その目的状態像に大きな違いがあります。

1. 要支援(要支援1・2)

  • 目的: 身体機能の維持・改善。これ以上、状態が悪化しないように、また、できることを増やせるように支援すること。
  • 状態像: 日常生活の基本的な動作(食事や排せつなど)はほぼ自立しているものの、一部に手助けが必要な状態です。例えば、掃除や買い物、服薬の管理などで誰かのサポートが必要なケースが当てはまります。
  • 提供されるサービス: デイサービスや訪問介護などを利用し、自立した生活を送れるように支援します。

2. 要介護(要介護1〜5)

  • 目的: 身体機能の維持。要支援よりも介護の必要性が高く、自立した生活が困難な状態を想定しています。
  • 状態像: 日常生活の基本的な動作に、常に誰かの手助けが必要な状態です。例えば、立つ、歩く、食事をする、お風呂に入るなど、一人では難しい動作が多い場合に要介護と認定されます。要介護度は数字が大きくなるほど、介護の必要性が高いことを示しています。
  • 提供されるサービス: 訪問介護、デイサービス、特別養護老人ホームなどの施設入居、福祉用具のレンタルなど、多岐にわたります。

介護の現場での「要介護」「要支援」の役割

あなたが介護施設で働くことになった場合、この区分は非常に重要になります。

  • サービスの提供内容: 要支援の方には、自立を促すためのレクリエーションやリハビリを重視したサービスを提供することが多くなります。一方、要介護の方には、より身体的な介助(食事介助、入浴介助など)が中心となります。
  • 一人ひとりに合ったケア: 利用者さん一人ひとりの要介護度や心身の状態を理解し、その方に合ったケアプランを立てることが私たちの仕事です。例えば、要支援の方には「自分でできること」を大切にしながら、自信を持ってもらうサポートをします。要介護度の高い方には、安全で快適に過ごせるよう、細やかな配慮が求められます。

要介護・要支援の違いを理解することは、利用者さんを深く知り、適切なケアを提供するための第一歩です。これらの知識は、未経験から介護職を目指すあなたにとって、きっと心強い武器になります。利用者さんの人生を豊かにする仕事に、ぜひ挑戦してみませんか?