介護業界で働く皆さん、こんな経験はありませんか?求人票には「アットホームな雰囲気」「チームワーク抜群」と書かれていたのに、実際に入職してみたら全く違う環境だった…。「ブラック施設」と呼ばれるような過酷な労働環境に疲弊し、転職を繰り返している方も少なくないのではないでしょうか。
求人票は施設の良い面しか書かれていないことがほとんどです。しかし、大切なのは、その裏に隠された真実を見抜くこと。ここでは、求人票だけでは見えてこない、介護施設の本当の姿を見極めるためのチェックポイントをご紹介します。
1. 情報収集は多角的に!「生の声」を聞くことの重要性
口コミサイトやSNSを活用する
求人票や施設ホームページだけでは知りえない「生の声」を知るために、介護施設の口コミサイトやSNSを活用しましょう。特に、現職者や元職員のリアルな声は非常に参考になります。
- 口コミサイトの活用: 施設の評判、人間関係、残業時間、有給取得率など、具体的な情報を集めることができます。「カイゴジョブアカデミー」「介護士のトイボ」など、介護業界に特化した口コミサイトもあります。
- SNSでの情報収集: TwitterやInstagramなどで施設名や地域名で検索してみましょう。職員の投稿や利用者家族のコメントから、施設の雰囲気や日常の様子を垣間見ることができるかもしれません。ただし、匿名性が高いため、情報の真偽を慎重に見極める必要があります。
転職エージェントの活用
介護業界に特化した転職エージェントは、非公開求人を持っているだけでなく、施設の内部情報に詳しい場合があります。担当のコンサルタントに、施設の人間関係や離職率、残業の実態などを具体的に質問してみましょう。エージェントによっては、実際に施設に足を運んで情報収集を行っている場合もあります。
2. 採用プロセスで見抜く!面接・見学時のチェックポイント
面接時の質問で本質を探る
面接は、自分が施設を選ぶ場でもあります。疑問に感じたことは積極的に質問し、施設の体制や考え方を確認しましょう。
- 「残業はどのくらいありますか?」「有給は取りやすいですか?」: 具体的な数字や事例を聞くことで、実態が見えてきます。
- 「離職率はどのくらいですか?」「退職された方の主な理由は?」: 答えにくい質問ですが、正直に答える施設であれば信頼できます。あいまいな返答や、質問を避けようとする場合は注意が必要です。
- 「教育体制はどのようになっていますか?」: 新人へのサポート体制が整っているかを確認しましょう。OJTの有無や、研修制度の充実度は、働きやすさの重要な指標です。
職場見学で五感を働かせる
可能であれば、実際に職場見学に行かせてもらいましょう。見学時に感じる「雰囲気」は、非常に重要です。
- 職員の表情や声: 笑顔で働いているか、活気があるか、挨拶は交わされているか。疲弊した表情の職員が多い施設は要注意です。
- 利用者さんの様子: 利用者さんが穏やかに過ごしているか、職員とのコミュニケーションは円滑か。
- 職場の整理整頓: 備品が整理されているか、清潔感があるか。職場環境が整っている施設は、業務効率も良く、職員の働きやすさにもつながります。
- 休憩室や更衣室の環境: 職員がリラックスできるスペースがあるか、清潔に保たれているか。職員を大切にする姿勢は、このような場所にも表れます。
3. 入社前に確認したい!労働条件通知書と雇用契約書
内定が出たら、必ず「労働条件通知書」と「雇用契約書」を隅々まで確認しましょう。口頭での説明と相違がないか、以下の点を特に注意して確認してください。
- 給与・手当: 求人票と一致しているか、基本給、各種手当(夜勤手当、資格手当など)の内訳は明確か。
- 勤務時間・休憩時間: シフト制の場合、具体的な勤務パターンや休憩時間は明記されているか。
- 休日: 年間休日数、有給休暇の付与日数、取得条件は明確か。
- 残業代: 残業代の計算方法や支払い条件は明記されているか。みなし残業がある場合は、その時間数と超過した場合の対応を確認しましょう。
まとめ
ブラック施設を避けるためには、求人票の情報に踊らされることなく、多角的な情報収集と、自身の目で確かめることが不可欠です。焦らず、時間をかけて情報収集を行い、納得のいく施設選びをしてください。皆さんが安心して長く働ける、素晴らしい介護施設に出会えることを願っています。