【専門家が解説】看取り介護の費用相場と公的制度|負担を減らす方法とは

【専門家が解説】看取り介護の費用相場と公的制度|負担を減らす方法とは

【専門家が解説】看取り介護の費用相場と公的制度|負担を減らす方法とは

人生の終末期を穏やかに過ごすための「看取り介護」。本人や家族にとって大切な時間ですが、費用について不安を感じる方も少なくありません。

看取り介護の費用は、どこでケアを受けるかによって大きく異なります。今回は、専門家の視点から、看取り介護にかかる費用の相場と、経済的負担を軽減するための公的制度について詳しく解説します。

1. 看取り介護にかかる費用の内訳と相場

看取り介護の費用は、主に医療費、介護サービス費用、居住費、食費に分かれます。これらの費用は、自宅で看取るか、施設で看取るかで大きく変動します。

  • 自宅での看取り費用
  • 内訳: 訪問診療・訪問看護の医療費、訪問介護サービス利用料、介護用品代など。
  • 費用相場: 月数万円〜十数万円。
  • 訪問診療や訪問看護は、医療保険と介護保険の両方が適用されます。自己負担額は、所得や加入している保険によって異なります。
  • 介護サービス費は、利用した時間やサービス内容に応じて費用が発生します。
  • 医療費と介護サービス費を合計した自己負担額が、月額数万円〜十数万円となるケースが多いです。
  • 施設での看取り費用
  • 内訳: 施設の月額利用料(居住費、食費、管理費など)、介護サービス費、医療費、看取り介護加算など。
  • 費用相場: 月数十万円〜。
  • 施設の月額利用料は、施設のタイプや部屋の広さによって大きく異なります。
  • 看取り介護加算: 看取りケアを行う施設が、利用者さんの状態に合わせて特別なケアや体制を整えるための費用です。加算額は、死亡日の45日前から算定され、段階的に減額されていきます。

2. 経済的負担を軽減するための公的制度

看取り介護にかかる費用は高額になることがありますが、公的な制度をうまく活用することで、負担を大幅に減らすことができます。

  1. 高額療養費制度
  2. 同じ月内の医療費の自己負担額が、年齢や所得に応じた自己負担限度額を超えた場合、その超えた分が払い戻される制度です。看取り期には、訪問診療などで医療費がかさむことが多いため、必ず確認しましょう。
  3. 高額介護サービス費制度
  4. 同じ月内の介護サービスの自己負担額が、世帯の所得に応じた自己負担限度額を超えた場合、その超えた分が払い戻される制度です。こちらも医療費と同様に、介護サービスの利用が増える看取り期に活用できます。
  5. 特定入所者介護サービス費(負担限度額認定)
  6. 低所得者が介護保険施設を利用する際、居住費と食費の負担を軽減する制度です。看取りを介護施設で行う場合に利用できる可能性があります。

3. 費用を抑えるためのポイント

  • ケアマネジャーに相談する
  • 看取り介護を始める前に、必ずケアマネジャーに相談しましょう。利用できる制度やサービスについて、専門的なアドバイスを受けることができます。
  • 施設の費用体系を比較する
  • 施設での看取りを検討している場合は、複数の施設の費用体系を比較検討することが重要です。看取り加算の有無や金額、医療費の扱いなど、細かな点まで確認しましょう。
  • 民間の保険をチェックする
  • 加入している生命保険や医療保険、がん保険などが、看取り期の医療費や介護費用をカバーする特約を付けていないか確認しましょう。

まとめ

看取り介護の費用は、決して安くはありませんが、公的な制度を賢く利用することで、経済的な負担を軽減することが可能です。

大切なのは、「もしもの時」に備えて、事前に情報収集を行い、専門家に相談することです。

お金の心配を減らすことで、本人との最後の時間を心穏やかに過ごすことができるでしょう。