「腰痛は当たり前」にサヨナラ!介護職の職業病と予防のポイント
介護の仕事は、人を支え、笑顔を引き出す素晴らしい仕事です。しかし、その一方で、身体に大きな負担がかかることも事実です。「腰痛は介護職の宿命」と諦めてはいませんか?
実は、腰痛をはじめとする職業病は、日々の少しの工夫と意識で予防することができます。今回は、介護職が抱えがちな職業病とその予防策についてご紹介します。
なぜ腰痛になるの?
介護職の腰痛の主な原因は、不自然な体勢での介護動作です。利用者の移乗や体位交換、入浴介助など、中腰や前かがみでの作業が長時間続くと、腰の筋肉や椎間板に大きな負担がかかります。また、無理な姿勢での持ち上げ動作は、ぎっくり腰などの急性的な痛みを引き起こす原因にもなります。
介護職が知っておきたいその他の職業病
腰痛以外にも、介護職には以下のような職業病が多く見られます。
- 肩こり・首の痛み:前かがみの姿勢が続くことで、首や肩の筋肉が緊張し、血行不良を引き起こします。
- 腱鞘炎:利用者の着替えやベッドメイキングなど、手首や指を酷使する作業によって起こりやすいです。
- 足のむくみ・静脈瘤:立ち仕事が多いため、足の血流が悪くなり、むくみや静脈瘤につながることがあります。
- メンタルヘルス不調:責任感や精神的なストレスから、不眠や気分の落ち込みといった心の不調を抱える人も少なくありません。
今すぐできる!職業病を予防するための3つのポイント
では、具体的にどのように予防すれば良いのでしょうか?今日からできる3つのポイントをお伝えします。
1. 適切なボディメカニクスを意識する
ボディメカニクスとは、身体の構造を理解し、力を効率的に使う方法のことです。
- 重心を低く:移乗介助では、膝を曲げて腰を落とし、自身の重心を低くすることで、安定した姿勢を保てます。
- 利用者に近づく:利用者との距離が近いほど、てこの原理が働きにくくなり、少ない力で支えることができます。
- 身体全体を使う:腕の力だけでなく、脚の筋肉や体幹を意識して、身体全体で動作を行うようにしましょう。
2. 休憩時間や日々のストレッチを大切にする
身体に溜まった疲労はその日のうちに解消することが大切です。
- 休憩中は座る:足や腰への負担を軽減するために、休憩中はなるべく座ってリラックスしましょう。
- ストレッチ:仕事の合間や入浴後など、身体が温まっている時に、腰や肩、手首のストレッチを習慣にしましょう。
- 湯船につかる:シャワーだけでなく、湯船にしっかりつかることで、筋肉の緊張が和らぎ、血行が促進されます。
3. 補助具を積極的に活用する
一人で無理をせず、使えるものはどんどん活用しましょう。
- 移乗用リフト:利用者の身体を持ち上げる際の負担を大幅に減らすことができます。
- スライディングボード・シート:ベッド上での移動や、車椅子への移乗をスムーズに行うための補助具です。
「腰痛は当たり前」と諦める必要はありません。大切な自分の身体を守るために、できることから少しずつ始めてみましょう。それが、利用者の方々を長く支え続けることにもつながります。