「まさか自分が…」を防ぐ!介護職のための職業病セルフチェック
介護の仕事に就いていると、「職業病」という言葉を耳にすることがあるでしょう。しかし、多くの人は「自分は大丈夫」「まだ若いから」と、どこか他人事のように感じているかもしれません。
しかし、職業病は、日々の小さな負担が積み重なって引き起こされるものです。気づいたときにはすでに深刻な状態になっていることも少なくありません。今回は、あなたが抱えるかもしれない不調に早く気づくためのセルフチェックリストを作成しました。
「まさか自分が…」と思う前に、ぜひ一度チェックしてみてください。
体の不調編:あなたの体は今、どんなサインを出していますか?
以下の項目で、3つ以上当てはまる場合は、注意が必要です。
- 腰痛:朝起きたときや、長時間立った後に腰が重い、痛む。
- 肩こり:肩や首が常にガチガチで、揉んでもすぐに元に戻ってしまう。
- 手首の痛み:手首を動かすと痛む、または手や指がしびれることがある。
- 足のむくみ:夕方になると靴がきつくなる、足がパンパンにむくむ。
- 慢性的な疲労:休みの日も疲れが取れず、体がだるいと感じることが多い。
- 睡眠の質:寝つきが悪い、夜中に何度も目が覚める、熟睡できていない気がする。
- 風邪:頻繁に風邪を引いたり、一度引くと治りにくくなったりする。
【解説】
これらの症状は、不適切な姿勢での介助や、長時間の立ち仕事、精神的なストレスなどが原因で起こります。特に腰や手首の痛みは、無理な力が加わっているサインです。放置すると、椎間板ヘルニアや腱鞘炎といった本格的な病気に進行する恐れがあります。
心の不調編:あなたの心は今、どんなSOSを出していますか?
以下の項目で、3つ以上当てはまる場合は、心のケアが必要です。
- モチベーションの低下:以前は楽しかった仕事に、やりがいを感じられなくなっている。
- イライラ感:些細なことでイライラしたり、感情のコントロールが難しくなったりする。
- 無気力感:休日に外出する気力がわかず、何もせずに過ごしてしまうことが多い。
- 不眠:仕事のことが頭から離れず、眠れない日が続いている。
- 食欲不振・過食:食欲がわかない、または逆にストレスで食べ過ぎてしまう。
- コミュニケーションの減少:職場やプライベートで、人との会話を避けるようになった。
- 集中力の低下:ケア記録のミスが増えたり、簡単な作業に時間がかかったりする。
【解説】
介護の仕事は、精神的なストレスも大きな負担となります。責任感や人間関係、利用者の状態への不安などが積み重なり、**バーンアウト(燃え尽き症候群)**につながることもあります。心の不調は目に見えにくいため、自覚症状がないまま進行することが多いです。
チェック項目が多かったあなたへ
もしチェック項目が多かったとしても、落ち込む必要はありません。これは、あなたの体や心が「もう少し自分を大切にしてほしい」と伝えているサインです。
- まずは休息をとる:無理をせず、有給休暇を取ってゆっくり休む日を作りましょう。
- 誰かに話す:職場の信頼できる上司や同僚、家族に相談してみましょう。話すだけでも心が軽くなります。
- 専門家を頼る:心身の不調が続く場合は、整形外科や心療内科など、専門家の診察を受けることを検討してください。
自分の心と体のサインに早く気づき、適切に対処すること。それが、介護職として長く、そして健康に働き続けるための第一歩です。