介護職の仕事は体力勝負?老健の一日と介護スタッフのスケジュールを解説

介護職の仕事は体力勝負?老健の一日と介護スタッフのスケジュールを解説

介護職の仕事は体力勝負?老健の一日と介護スタッフのスケジュールを解説

「介護の仕事って、やっぱり体力勝負なの?」

介護の仕事に興味があっても、この疑問が頭をよぎる方は少なくありません。特に、要介護度の高い方が多く入所する介護老人保健施設(老健)では、身体介助が多く体力が必要なイメージがあるかもしれません。

しかし、老健の仕事は「力仕事」だけではありません。利用者さんの生活を支え、自立を促すためのリハビリテーションが大きな柱となっています。今回は、老健での利用者さんの一日と、それに合わせた介護スタッフの具体的なスケジュールを解説します。

1. 介護職は体力勝負?最新の介護現場事情

確かに、昔の介護現場では力に頼った介助が主流で、腰痛などの職業病に悩まされる人も少なくありませんでした。しかし、今は状況が大きく変わっています。

  • 最新機器の導入: 利用者さんの移乗をサポートする介護リフトや、入浴介助を助ける入浴介助マシンなど、職員の負担を軽減する最新の福祉機器が多くの施設で導入されています。これにより、力任せの介助は減り、安全で効率的なケアが可能になりました。
  • 介助技術の向上: 介護技術も進化しており、少ない力で安全に介助するボディメカニクス(人間の体の構造や動きを利用する介助法)が広く学ばれています。

つまり、今の介護職は、体力だけでなく、知識技術が求められる仕事になっています。

2. 介護老人保健施設(老健)利用者の一日

老健は、病気や怪我などで入院していた方が、自宅に戻るためのリハビリを行う施設です。そのため、一日のスケジュールにはリハビリや機能訓練が組み込まれています。

  • 午前: 朝食後、理学療法士や作業療法士など専門職による個別リハビリや、集団で行う機能訓練などを行います。介護スタッフは、リハビリ室への誘導や、訓練中の見守り、水分補給のサポートなどを行います。
  • 午後: 昼食後も、レクリエーションや自主トレーニングなどが行われます。スタッフと利用者さんが一緒に体を動かしたり、頭を使ったりする時間です。

老健の利用者さんは、施設での生活を通じて、少しでも自立した生活を送れるようになることを目指しています。

3. 介護スタッフの一日のスケジュール例

それでは、老健で働く介護スタッフは、一日をどのように過ごすのでしょうか?ここでは、日勤のスケジュール例を紹介します。

  • 午前8:30〜: 申し送り・情報共有。夜勤スタッフから利用者さんの様子を引き継ぎます。
  • 午前9:00〜: 日中のケア開始。バイタルチェック(体温や血圧測定)、排泄介助、入浴介助などを行います。利用者さんがリハビリへ向かう際の誘導も重要な役割です。
  • 午前10:00〜: リハビリ中の見守り。リハビリ室での訓練や、レクリエーションのサポートを行います。
  • 正午〜: 昼食介助・休憩。食事のサポートと見守りを行い、交代で休憩に入ります。
  • 午後1:00〜: 午後のケア。口腔ケア、午後のリハビリやレクリエーションのサポート、介護記録の作成などを行います。
  • 午後4:00〜: 申し送り準備・退勤。日中の利用者さんの様子を夜勤スタッフに引き継ぐ準備をします。
  • 午後5:30: 退勤

このスケジュールからもわかるように、老健の介護スタッフは、常に利用者さんの状態を把握し、多職種と連携しながら、その日の目標を達成するために動いています。

まとめ

介護職は、確かに体力を使う場面もありますが、それは「力勝負」ではありません。利用者さんの身体を安全に支える技術、そして些細な変化に気づく観察力が何よりも大切です。

特に老健は、チームで連携しながら利用者さんの自立を促す、やりがいのある仕事です。体力に自信がなくても、人の役に立ちたいという気持ちがあれば、きっと活躍できる場が見つかるでしょう。

介護の仕事は、体力よりも**「知恵」と「心」**が求められる時代へと変わっています。